サハリンで見かけた山野草
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81.キバナシャクナゲ(黄花石楠花)
分類:ツツジ科
学名:Rhododendron aureum
撮影日:
5月上旬
 早春のチェーホフ山へ登ると残雪の下から黄色い花が顔を出していた。キバナシャクナゲだった。寒風の中で耐えていた。
82.ヒレハリソウ(鰭玻璃草)
分類:ムラサキ科ヒレハリソウ属の多年草
学名:Symphytum officinale
撮影日:
7月中旬
 こちらの花壇には地元の山野草が植えられる場合が多い。この花は花壇でよく見かけたが、やはり自生していたものだったのだろうか。
83.ツリフネソウ(釣船草)
分類:ツリフネソウ科ツリフネソウ属
学名:Impatiens textorii
撮影日:8月下旬
 夏季のユージュノサハリンスクで最も目に付く野花はツリフネソウである。完全に雑草化していたが、花はきれいであり、除去されずに夏の終わりまで咲き続けていた。
84.トウダイグサ(灯台草)系の花
分類:トウダイグサ科
学名:
撮影日:
7月中旬
 草原の中にトウダイグサ系の花が密生していた。ハクサンタイゲキに似ていたが、それは日本の固有種であり、別の花のようだった。
85.コシカギク(小鹿菊)
分類:キク科
学名:Matricaria matricarioides
撮影日:
7月下旬
 筒状花だけからなり、舌状花が無いので、そこにあるべき花の代わりに緑の丸坊主が延々と並んでいるように見える面白い花だ。
86.セイタカアワダチソウ(背高泡立草)
分類:キク科
学名:Solidago altissima
撮影日:8月上旬

 サハリンにも夏が到来し、草丈のある雑草の上部が日ごとに黄色みを帯びてきた。やがてはっきり黄色になり、セイタカアワダチソウだったのがわかった。
87.ウツボグサ(靫草)
分類:シソ科
学名:Prunella vulgaris subsp. asiatica
撮影日:
8月上旬
 道路の路肩に咲いていた。ウツボグサは車道の方へ咲き広がっていたが、車にひかれないか気になった。
88.エゾアカバナ(蝦夷赤花)
分類:アカバナ科 アカバナ属
学名:Epilobium montanum
撮影日:8月上旬
 しばらく続いた急斜面を一気に登りきり、疲れてふらふら歩いていると足元に小さな花があるのに気が付いた。花は開いていなかったが、エゾアカバナのようだった。
89.キショウブ(黄菖蒲)
分類:アヤメ科
学名:Iris pseudacorus
撮影日:7月中旬
 こういう花は公園などで植生したものをよく見かけるが、このキショウブは人の入ることがなさそうな山奥の湿地に自生していた。

90.コケモモ(苔桃)
分類:ツツジ科
学名:Vaccinium vitis-idaea
撮影日:
7月上旬
 北方の湿地帯でコケモモの大群落に遭遇した。
91.ツルコケモモ(蔓苔桃)
分類:ツツジ科スノキ属
学名:Vaccinium oxycoccus
撮影日:
7月下旬
 湿原で小さな花に出会った。花後の萼のようにも見えたが、シベが出ていたのが確認出来た。あとでそれがツルコケモモだというのがわかった。
92.ナガボノアカワレモコウ(長穂の赤吾木香)
分類:バラ科
学名:Sanguisorba tenuifolia var.purpurea
撮影日:
8月中旬
 草原に群生していたが、何だか異様な雰囲気があり、名前を確認せずにはいられない衝動にかられた。
93.エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)
分類:ナデシコ科ナデシコ属の多年草
学名:Dianthus superbus var. superbus
撮影日:8月下旬

 国道沿いの土手に咲いていた。海からの風が常時吹き付けるのか、花は一方向に傾いて咲いていた。
94.オオハンゴソウ(大反魂草)
分類:キク科オオハンゴンソウ属の多年草
学名:Rudbeckia laciniata
撮影日:
9月上旬
 北日本では繁殖しすぎて在来種に良い影響を与えないと見なされるようだが、こちらでは案外お構いなしで、森でも花壇でもよく見かけた。
95.バイケイソウ(梅尅吹j
分類:ユリ科
学名:Veratrum album
撮影日:
7月上旬
 湿地帯を移動中に変な小木を見かけた。茎以外の全身が花で覆われていた。後でそれがバイケイソウだとわかった。毒があるとの事。
96.オオウサギギク(大兎菊)
分類:キク科
学名:Arnica sachalinensis
撮影日:
7月下旬
 エゾウサギギクに似ているが、花が一回り以上大きく、エゾウサギギクと違ってあまり群生はしないようだった。
97.オタカラコウ(雄宝香)
分類:キク科メタカラコウ属の多年草
学名:Ligularia fischerii
撮影日:
8月上旬
 オタカラコウとメタカラコウはよく似ているが頭花の舌状花が多かったのでオタカラコウと思われる。数百本並んだ草原があった。
98.エゾニュウ(蝦夷にゅう)
分類:セリ科
学名:Angelica ursina
撮影日:
7月下旬
 サハリンでは3m程度のエゾニュウに何度も出会った。どっしり大きく開いた傘はやや上向きで、露名を直訳すると「熊シシウド」となる。
99.シナガワハギ(品川萩)
分類:マメ科シナガワハギ属
学名:Melilotus officinalis subsp. suaveolens
撮影日:7月下旬

 シナガワハギは大別すれば雑草扱いなのかもしれない。しかし、この花の有ると無しでは夏の風景が大きく違う。教会の風景もシナガワハギで引き立って見えた。
100.フタマタイチゲ(二又一華)
分類:キンポウゲ科
学名:Anemone dichotoma
撮影日:6月中旬

 長距離を移動中、運転手がタバコを吸うために車を停めた。僕は下車して草原へ足をのばしてみた。そ、そこはフタマタイチゲの大群落だった。
101.ガマノホ(蒲ノ穂)
分類:ガマ科
学名:Typha latifolia
撮影日:8月下旬

 日本で見慣れたガマノホをサハリンの山奥で見かけると、何だか故郷の人に出会ったようでホッとした。
102.シオガマギク(塩竈菊)
分類:ゴマノハグサ科シオガマギク属
学名:Pedicularis resupinata
撮影日:7月中旬

 この花もサハリンではあちこちで見かけた。ミヤマシオガマ系の花と違って、国道沿いとか、海岸付近とか、アクセスしやすい場所に咲いている。
103.ウンラン(海蘭)
分類:ゴマノハグサ科ウンラン属
学名:Linaria japonica
撮影日:9月上旬
ウンラン系の花ならサハリンではホソバウンランが圧倒的に何度も目に付いた。それと同じ花が浜辺に這って咲いていた。似た花でも上に真っ直ぐ鋭く伸びるホソバウンランとはかなり雰囲気が違う。
104.エゾイブキトラノオ(蝦夷伊吹虎の尾)
分類:タデ科イブキトラノオ属
学名:Polygonum bistorta var. ovatum
撮影日:8月上旬

崖を登って陽当たりの良い草原に出たら、そこはエゾイブキトラノオのお花畑だった。ピンクの花が風に揺れていた。時間が無く、すぐ立ち去らねばならなかったのが心残りである。
105.エゾウサギギク(蝦夷兎菊)
分類:キク科
学名:Arnica unalaschcensis
撮影日:8月下旬

 この花は群生する傾向があるようだった。場所によっては陽当たりの良い広い山の斜面を独占していた。
106.エゾオオヤマハコベ(蝦夷大山繁縷)
分類:ナデシコ科 ハコベ属
学名:Stellaria radians
撮影日:7月上旬

 サハリンではどこでも見かける野花であるが、密生している時より散在している時のほうが味わいが感じられた。
107.エゾトウヒレン(蝦夷唐飛廉)
分類:キク科トウヒレン属
学名:Saussurea riederi var. yezoensis f. elongata
撮影日:7月下旬
 車が通るたびにもうもうと土煙が舞い上がる路傍で見かけた。

特有の黒いトゲでトウヒレンの仲間であることがわかった。
108.エゾコゴメグサ(蝦夷小米草)
分類:ゴマノハグサ科 コゴメグサ属
学名:Euphrasia maximowiczii var. yezoensis
撮影日:8月上旬
 山地の陽当たりの良い場所で見かけた。
和名通り米粒のようにかなり小さな花であり、見逃すか無意識のうちに踏んでしまうケースが多そうである。
109.エゾクガイソウ(蝦夷九蓋草)
分類:ゴマノハグサ科クガイソウ属
学名:Veronicastrum sachalinense
撮影日:7月中旬

 遠くに水色の細いものが揺れていた。その薄い青は砂漠の蜃気楼のようにも見えた。春から夏へ移り、山野の緑が濃くなる中で、薄い青は爽やかでもあり、神秘的でもあった。
110.エゾトリカブト(蝦夷鳥兜)
分類:キンポウゲ科
学名:Aconitum yesoense
撮影日:9月上旬

 トリカブトの青花はサハリンの山野の中でとても目立った存在だが、毒があるので要注意。トリカブトは種類が多く、これがエゾトリカブトという確信は無い。
111.エゾワタスゲ(蝦夷綿菅)
分類:カヤツリグサ科
学名:Eriophorum scheuchzeri Hoppe var. tenuifolium Ohwi
撮影日:7月下旬
 日本で見かけるワタスゲよりもワタのふくらみが大きかった。サハリン北方ではこれが原野を白く染めている場所もあった。
112.エゾルリソウ(蝦夷瑠璃草)
分類:ムラサキ科
学名:Mertensia pterocarpa var. yezoensis
撮影日:8月上旬

 サハリンの奥深い山中で出会ったが日本で園芸品として出回っているエゾルリソウより草丈が高く、スラッとして清楚な印象を受けた。
113.ヒヨス
分類:ナス科
学名:Hyoscyamus niger
撮影日:7月上旬

 最初に見た時は病気になったウコンウツギと思い、撮った写真はPCの中で眠っていた。しかし、たまたまめくった図鑑の中に同じような花を発見し、調べてみたら、ヒヨスという花だった。この花は薬草として利用されるようだが、サハリンに昔から自生していたのだろうか?
114.マツヨイグサ(待宵草)
分類:アカバナ科マツヨイグサ属
学名:Oenothera stricta Ledeb. ex Link
O. odorata
撮影日:7月下旬
 サハリンでこの花に何度も出会ったが、ほとんどの場合、道路沿いに咲いていた。元々の原産種と言うよりも、植生したものが拡散し、自生したような雰囲気を感じた。

115.エゾイヌゴマ(蝦夷犬胡麻)
分類:シソ科 イヌゴマ属
学名:Stachys riederi Chamisso var. villosa (Kudo) Hara
撮影日:8月下旬

 この花の赤紫の色合いがシソ科を連想させる。小さな赤紫の花弁の根元に斑点がある。
116.キエビネ(黄海老根)
分類:ラン科エビネ属の多年草
学名:Calanthe sieboldii
撮影日:7月上旬

 森の山道沿いで見かけたが、最初はただの雑草にしか見えなかった。よく見るとエビネであることがわかった。サハリンでは何でもないところで不意に出会ったりする。
117.コウリンタンポポ(紅輪蒲公英)
分類:キク科
学名:Hieracium aurantiacum
撮影日:7月中旬

 サハリンでは6月中旬から咲き始めるコウリンタンポポは夏の間中咲き続け、10月上旬になっても所々で散見される息の長い野花である。
118.エゾムラサキニガナ(蝦夷紫苦菜)
分類:キク科アキノノゲシ属
学名: Lactuca sibirica (L.) Bentham
撮影日:7月下旬

 海岸付近よりも山の中、森の中の陽の当たる場所で頻繁に出会った。サハリンではラマーシカ、ヤナギラン、コウリンタンポポの次ぐらいに頻繁に目にした。
119.ヒカゲノカズラ(日陰鬘)
分類:ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属
学名:Lycopodium clavatum
撮影日:8月下旬

 8月下旬、サハリンでは夏も峠を越した頃、山中の陽の当たる斜面にツクシのように生えている植物を見かけた。後で確認してみると、それはヒカゲノカズラだった。
120.シャゼンムラサキ(車前紫)
分類:ムラサキ科シャゼンムラサキ属
学名:Echium plantagineum L.
撮影日:7月下旬
 80センチ前後のシャゼンムラサキが自生し、林立していた草原に出た。単独ではルピナス風にも見えるが、全体に細く、長く、透き通るような青い花に不思議な存在感があった。