ジャガイモの収穫は夏の風物詩

 ロシアにおける夏の風物詩の一つは、学生動員のジャガイモの収穫ではないだろうか。(上の写真)
どこまでも続く広大な農耕地、しかし少ない人手で収穫が間に合わないジャガイモ畑もあるそうで、この問題を解決するために学生が動員されるのが昔からのロシアの伝統になっている。掘り出されたジャガイモは南京袋に詰め込まれ、その南京袋をトラックが拾っていく。収穫が一段落し、家路に向かう際には手伝った学生たちへ収穫したジャガイモが配給されるそうである。
 広い大地、澄みきった青空、新鮮な空気、そしてそこで流す健康的な汗。
喧噪と排気ガスにまみれる都会の住人なら、ジャガイモももらえるし、健康にも良いし、一石二鳥の有難味がありそうだ。
 この写真は収穫なので物質的な豊かさも感じるのであるが、僕にはこういう環境の中で汗を流す事が出来る別な豊かさのようなものも感じられた。


 それから数日して、別の場所で同じような光景に遭遇した(上の写真)。今度は中高生のようであった。畑の畝にしゃがんでせっせとジャガイモを南京袋に詰めていた。成果のほどは見届けられなかったのだが、生徒達の華やいだ様子に何となくピクニック気分が感じられ、先日見かけた学生グループとは雰囲気が多少違っていた。
それでも近くにいたコルホーズの職員は生徒達の協力に大きな期待を寄せていた。