サハリンでの食べ物の話題 | |
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木の実 秋に市場に登場する天然のベリー類を食するとロシアに来た事が実感される。日本では店頭に現れるイチゴ類や木の実類は栽培物がほとんどで天然物にはめったにお目にかかれない。しかし、サハリンでは今のところは時期になれば買う事が出来る。バケツ一杯で4000円前後と、安くはないが、出稼ぎ労働者があふれていたユージュノサハリンスクの市場では故郷への土産として買っていく人が多かった。僕にバケツ一杯分は多いので、知り合いのロシア人たちと共同購入した。買ったのは写真左のゴルビーカ(ブルーベリー)と写真右のクラスニーカ(イワツツジの実)。それらに蜂蜜をかけて浸し、毎日お茶と一緒に少しずつ食べていた。甘酸っぱい味が口の中に広がり、美味しかった。ビタミンが多く、体には良いとの事である。 |
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鮭鱒のアルミホイール焼き 鮭鱒遡上の季節になればサハリン中の町や村が活気づく。国道沿いに並ぶ露店にも獲りたての鮭鱒が並ぶ。 この時期にサハリンを移動していて、食事の時間に遅れても困ることはない。アルミホイール一本あればレストランや食堂が無くとも、腹が減ることはない。 レストランの何分の一かの安い料金で、新鮮な鮭鱒を購入し、それを三枚に捌いてアルミホイールに包み、焚き火の中に置くだけで、あっと言う間に美味しい蒸し焼きになる。 |
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ナマコ 昔はサハリンでもナマコが良くとれたそうだ。しかし中華料理に欠かせない珍味として海外への需要が増し、乱獲の嵐が過ぎた頃には資源も急減したようだ。 ナマコは店頭に出ることは滅多にないのだが、市場に登場する時もある。このナマコをロシアの人はどういう風に料理するのか、確認する機会があった。一緒に料理してみたところ、ナマコを細切れにし、そこにタマネギや人参の千切りを加え、キムチの元(これは案外いろいろなところで売られており、すぐ手に入る。)を加え、良くかき混ぜてから、そのまま食べていた。僕も味見をしてみたが、何だか不思議な味がした。 |
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サラダ菜 市内で買うサラダ菜はほとんどの場合、根元に小鉢が付いていた。つまり、鉢植え状態で売られているわけだ。 生鮮食料品を少しでも長持ちさせようという生産者、販売業者サイドの知恵が感じられた。 |
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イカの塩辛 サハリンには朝鮮系の人々が多く、おそらく彼らが造っていると思われる塩辛が売られていた。日本で売られている塩辛よりも辛み、塩味は強かった。 |
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大福 市場でアズキ入りの大福餅を見つけた。これを売っていた人は日本語がわからず、ロシア語だけしか話さなかった。「これはロシア語で何というの?」と聞いたところ、「アンコロモチ」と言っていた。戦前の日本の統治下で造られ、それが今でも朝鮮系の人々に受け継がれ、生産、販売されているようであった。 |
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豆腐 豆腐好きの僕はその固定客になっていた。サハリンの豆腐は固く大きいのが特徴である。日本の店頭にある豆腐に比べて約4倍ぐらいの大きさである。一丁買うとそれを四等分し、四分の一になった豆腐をさらに二回ぐらいに分けて食べていた。つまり、一丁の豆腐で、一週間ぐらいは毎日食べられた。 この豆腐がサハリン市内から姿を消した。豆腐が販売網から消えてからしばらくして、製造元が当局の検査を受け、防腐剤を多量に使用していたために製造中止になったという情報が入った。そう言えば、あの豆腐は長期間置いても悪くならなかったが、何故か粘度の高そうな黄色い液体が抽出してくるのが特徴だった。 |
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日本の食品 サハリンでは日本の食料品はあちこちの店頭にあった。ビールや清涼飲料水なども目にした。売れるから販売するのであろうが、価格は日本の小売価格の一律4倍である。つまり、200円程度のカップ麺が日本円換算で800円程度で売られていた。日本の食品に関しては、価格を確かめると買う勇気が無くなった。韓国製品などは高くはなかったのであるが、それはロシアは韓国との間には輸入食料品の関税協定があるが、ロシアと日本との間には同様な協定が締結されていないためという話を聞いた。 |
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ケーキ類 昔のケーキは一律どれも限りなく甘い感じだったが、最近のケーキ類は、それぞれのケーキに個性が出てきていると思う。甘党の僕がサハリンでよく通ったケーキ屋はコックのアイディアが豊富で、割に短期間で次から次にケーキの新作を店頭に並べていた。アメリカンコーヒーが一杯約200円、ケーキは一個100円〜150円程度だった。 地方の方へ行けば、たいがいのカフェーやレストランではまだインスタントコーヒーが主流であるが、ここでは本物のコーヒーが用意されていた。 |
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アイデア 山野の中でコーヒーを飲もうとしたら、人数分のカップが足らなかったという場合、ペットボトルからコーヒーカップを作る事が出来る。ちゃんと取っ手付きである。 |
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ヤナギラン茶 ヤナギランは夏季のサハリンでよく見かけた。ヤナギランは原野をピンク一色に染めるほど旺盛に咲き乱れ、美しい花ながら、そのあまりの多さに有り難みが薄れてしまいがちである。しかし茶やスープにも使われたり、美しさだけではなく、なかなか有益な植物でもある。このヤナギランの茶をサハリンの店頭で発見した。ビタミン類も豊富だそうで、ロシアでは昔から紅茶の代用として利用されている。サハリンで買った中国製のティーカップで僕も飲んでみたが、味も色も紅茶に近い感じだった。 |
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サクラマス(桜鱒) サハリンではサクラマスの漁期は5月中旬の一週間から十日間程度で、遡上してから姿が消えるまでの期間は短い。名の通り魚肉は桜色で脂が乗っており、味は良い。地元の太公望には人気の魚であるが、この魚が人気なのは、長い冬が終わり、その年に一番最初に川を遡上してくるサケマス科の魚で、漁期も短いためだと思う。 |
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ギョウジャニンニク(アイヌネギ) ギョウジャニンニクはネギ科ネギ属の山菜であるが、ニンニクの香りが強く、葉がまだ大きく開かず、茎の太いものが人気がありそうである。山野の雪が溶けて最初に顔を出す山菜で、生鮮野菜の少ない春には貴重な存在である。サハリンではこの季節になるとほとんどの市場や露店で売られていた。日本円換算で一束50-80円程度。ロシアの人々は生で食べる場合が多そうだったが、茹でたり、炒めたり、様々な使い方が可能な食材である。このギョウジャニンニクは熊も大好物だそうである。 |
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乾燥キューイ 北国のロシアでは果物や野菜の生育期間が短かいため、それらの食物を少しでも長く利用しようと塩蔵にしたり、砂糖、酢、油に漬けたり、あるいは乾燥したりするのが昔からの傾向である。知り合いのロシア人のガレージなどへ行くと、キューリ、キャベツ、トマト、キノコ、ベリー類などが保存された瓶詰めが並んでおり、アルコール類があればつまみに事欠かなかったものである。それはさておき、サハリンでキューイを乾燥した食品を店頭で発見した。バナナの乾燥食品は食べた事があるが、キューイは初めてだったので、さっそく買って食べてみた。食感は何となく干し芋風だが、甘酸っぱさがあり、キューイを感じさせてくれた。 |
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