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聖グリゴール・ルサヴォリッチ主教座教会
(КАФЕДРАЛЬНЫЙ СОБОР СВ.ГРИГОРА ЛУСАВОРИЧА)
エレヴァン市内にある新しい大きな教会。アルメニアは301年に世界で最初にキリスト教を国教とした国であり、その1700周年には内外から多くの来賓を招き、盛大な祝賀行事が行われたとの事。この建物のそばには道路に沿って細長い公園、遊園地があり、市民の憩いの場所となっている。多くのアルメニア教会は古い建物で、そばに近づくと歴史の重みを感じるが、ここの教会は新しく、外見からは他のアルメニア教会とは異なるモダンな雰囲気を感じた。
立地条件の良い首都にあるせいか、来訪者は絶えないようだった。
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リプシメ聖堂(СВ. РИПСИМЕ)
ローマから逃げてきた絶世の美女リプシメは時のアルメニア皇帝の懇願を拒否し、キリスト教を信じ、非業の死を遂げるという言い伝えにちなんだ聖堂で、618年に建立された。リプシメの聖骸は地下の納骨所にあるとの事。この建物はアルメニア教会の特徴がよく出ており、建物のつなぎ目が平滑で、あたかも一つの巨大な岩石を刻んでつくったような一体感をかもし出している。 |
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修道院ゲハルド(Монастырь Гехард)
すでに4世紀にはアザト川沿いの渓谷斜面にアイリヴァンクという洞窟修道院があった。後にこの修道院はゲハルドと言われるようになった。『ゲハルト』は槍を意味している。言い伝えでは十字架のキリストを刺したと言われる槍がこの修道院に保管されていた。現在、この槍の穂先は聖エチミアジン教会付属博物館に保管されている。現在の建物は13世紀に再建されたもので、隣接する洞穴の中に聖堂がある。洞穴の中の聖堂は広く、柱と床は一体となっており、天井の明かり取りの穴から光がさしていた。この洞窟修道院をつくる為に大量の岩石を穴から切り出したはずで、その作業量を想像して思わず唸ってしまった。 |
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ホルビラップ修道院(Хор Вирап)
ホルビラップ修道院はアララト盆地を流れるアラクス川の左岸にあり、聖書に出てくるアララト山から30kmほどの距離に位置している。この修道院は神聖な場所としてアルメニア人巡礼者の来訪が途切れない。この修道院の歴史はアルメニアがキリスト教を国境として受け入れ、その後のアルメニアでの宗教、教育、文化の発展と密接な関係を持っており、何世紀にも渡り、アルメニア人の精神的支柱の一つでもあった。アルメニアの啓蒙思想家であった聖グリゴール・ルサヴォリッチがキリスト教を広めようとした罪で「蛇の穴」と言われたここの地下の独房に幽閉され、13年後にやっと自由の身になった。その後、間もなくしてキリスト教がアルメニアの国教となった。アルメニア語でホルは「深い」を、ビラップは「穴」を意味し、ホルビラップとは「深い穴」の意味である。5世紀になり、この幽閉地に修道院の建設が始まり、653年に建設が完了した。幽閉された深い穴は現存しており、入れ替わり立ち替わり観光客が入っていた。穴は今では観光名所になっており、中で踊っている観光客もいた。ここから眺めるアララト山は雄大であり、また、アララト山をバックにしたホルビラップの遠景も素晴らしい。
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ノラヴァンク(Нораванк)
ノラヴァンクは12世紀から14世紀にかけて険しい山奥に建立された修道院である。霧が漂う山奥に建つノラヴァンクは、アルメニア教会の中でもひときわ美しい教会である。この建物の入り口の上にキリストの父(神)の顔の彫刻があり、神の顔が彫刻されているのはアルメニアではここだけとの事。
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