アルメニアを食べ歩く��〜番外編〜


１）ケーキ屋さん

エレバンにケーキ屋さんは多かったが、お茶屋さんの中にある喫茶店のケーキが一番うまかった。 旧ソ連圏ではケーキ類はとても甘過ぎて、大量生産の流れ作業を感じたものだが、ここのケーキの甘さは微妙な日本風であり、菓子職人のセンスの良さを感じた。 お茶屋さんなので注文できる茶の種類が多いのもうれしい。お茶は紅茶、緑茶にかかわらず、写真のような急須に入ってくる。何だか日本で使っている急須とよく似ていた。

２）大衆食堂

僕はレストランよりも大衆食堂が好きだ。時々そこでは一般庶民のあるがままの姿を垣間見る事ができる。
下の写真の食堂は僕がよく通ったところである。家族経営の小さな食堂だった。お金に困って支払えない人
はツケにしていた。お金が入って懐具合が良くなった客は、多めに支払っていった。
僕はいつからか一般客のテーブルから移動し、いつも炊事場の中のテーブルで食べるようになった。
僕のような通りすがりの異邦人にもみんなが温かい心で接してくれた。

まだまだ元気な曾おばあさん。この曾おばあさんのお母さんがまだ健在で、杖をついてやって来る姿をたまに目撃した。 働き者の若おばあさん。 孫を抱く若おばあさん。とてもおばあさんには見えない。
ここはレバーの料理が美味かった。メインディッシュにスープ、サラダ、ミネラルウォータ、コーヒー等が付いて100〜150円程度だった。 上の写真はアルメニア名物のスープ『ハシ』
ハシの説明は下記を参照のこと。		 ラーメンを食べたくなった時、無理を言ってボルシチにラーメンを入れてもらった。ボルシチラーメンはまあまあだったが、おばあさん達は不思議そうな顔をして僕の顔をのぞいていた。

ハシ (Хаш)
ハシはコーカサス地方一帯に広まったアルメニアの伝統料理の一つである。大昔から続いている習慣では、
ハシは他のあらゆる料理とは全く別に食べ、祝祭日の朝食として、あるいは朝食前に食べるしきたりになっ
ていた。
◆材料:　牛足1.5kg、　モツ500g、　ニンニク2〜3個、　大根1個
◆作り方:
1.牛足の表面を焼き、削り取って、何回か水洗いし、縦に切って分割し、流水に一昼夜さらしておくか、冷
　水の中に入れ、その水は毎2〜3時間ごとにかえる。その後で再び水洗いをし、ほうろう引きの平鍋に移し、
　水を入れる。水のレベルが牛足の上から15〜20cm程度になるまで水を入れ、弱火で煮込む。
2.モツの汚れを取り、水洗いし、冷水を注ぎ、独特な臭いが無くなるまで煮込む。そのあとで煮だし汁を鍋
　から流し出し、モツを湯と水で洗浄し、細かく切ってから、煮込んでいる牛足に加える。
3.ハシは塩を加えずにゆっくりと煮込み続け、けっして強火にはしない。時々、泡や油を鍋の表面から除去
　しながら、肉が骨から離れ、モツが柔らかくなるまで煮込み続ける。
4.出来上がったハシを熱いうちにスープ皿に盛りつけ、そこに入れる塩、細かく潰したニンニク、又はブイ
　オンに溶かしたニンニク、カブ、及びラワシ（薄皮パン）を別にして添える。ハシはおろし大根、メボウキ、
　西洋パセリ、エストラゴン、ラワシなどを摘みなら食べる。（僕が見ていたら、揚げて煎餅状になったラワ
　シを砕きながら、スープの液が無くなるまでハシの上に山盛りにしていた。）