マーケット

1)食料市場

庶民の台所である食料品バザール(
Рынок)をのぞくのは楽しい。市場の中でカメラを向けるのは外人旅行者の典型みたいだし、
よそ様の冷蔵庫を勝手に開けるような気もするし、何だか気乗りはしなかったが、勇気をふるって一応撮ってみた。

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この時はマスリャータ(маслята)と呼ばれるキノコが沢山出回っていた。 リンゴ、オレンジ、ナシ、ブドウ、アンズ、モモ、等々アルメニアは果物が豊富で安い。 米、粟、稗など、様々な穀類が売られていた。 クルミやキイチゴ(малина)も良く採れるらしい。 ザリガニが売られていた。




初めて見る果物だった。インドやグルジアで採れるとの事。名前を聞いたらフォアンフォアン(?)と中国的な響きだった。ナシのような、グレープフルーツのような不思議な味だった。 アルメニアは海のない内陸国であるが、川魚を中心にして魚はけっこう売られている。
市場では生魚、薫製、干し魚などが出回っていた。
フォレーリと言われているニジマス(Форель)はアルメニアではポピュラーな魚で、市場では活魚で売られている。 野菜はだいたい何でもあった。キュウリやトマトは日本のように粒は揃っていないが、味は良かった。特にトマトは少し酸っぱくて昔の日本のトマトを思い出した。 エレヴァンの西側一帯にアララト盆地が広がり、そこには広大な野菜畑がある。これらの野菜はその辺りで収穫されているようだ。


2)青空市場
エレヴァンの中央に延々と続く青空市場がある。地元ではこの青空市場をベルニサーシュ(
Вернисаж)と呼んでいた。
衣類と食料品以外なら何でもある。古いモーター、ネジ切り用のタップやダイスの工具類から民芸品、貴金属類まで何でもあった。

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笛を吹き、客を呼び込む楽器屋のおじさん。

木彫り製品。いいと思ったものもあったが、かさばりそうで買わなかった。

観光客に売る事を前提としたような絵が多く、絵に魂が感じられなかった。

昔懐かしいカメラが多数売られていた。その方面のマニアならきっと見たがるだろう。

アルメニア文字を記した置物。アルメニア語は39文字(8母音,31子音)であり、発音もかなり複雑そうだった。なのでアルメニア人は語学の天才だとか。

粘土細工の庶民の姿を額に入れた民芸品。何だかほのぼのとさせてくれる民芸品だった。

コーカサス地方ではポピュラーな『ナルディ』というサイコロゲームのセット。

蝶々の標本が額に入って売られていた。サソリやタランチュラのような大蜘蛛の標本もあった。

ハチカルィ(Хачкары)
民芸品として売っているものは一見して位牌によく似ているが本物は50 cm〜3mぐらいの石で出来ており、キリストの十字架が彫られている。9〜17世紀にアルメニア教会に広まり、アルメニア正教のシンボルになった。

イコン
だいぶ時代を感じさせるものもあった。イコンは芸術品であっても、これらイコンの前で魂の救済を願い、祈っていた人々の事を思うと、カネで売買される事に抵抗を覚えた。

置物には朝な夕なにエレヴァン市内から見えるアララト山を描いたものが多い。この民芸品もそうだった。

ザクロはアルメニアのシンボルだそうだ。木製のザクロの内側をくり抜き、塩入れにしている民芸品が数多く出回っている。

ロシアのマトリョーシカも売られていた。

ここは食器コーナー。
種類も数も多いが、その数量を思うと天候に左右される青空市場では、その移動や並び替えもさぞや大変だろうと余計な心配をしてしまった。

食器コーナーの近くに食卓で使うスプーンやナイフのセットがあった。大きなセットは木造三段重ねのタンスに十数種類のスプーンやナイフが126本入っていた。メーカーはドイツのゾーリンゲンだった。値段は安かったが、重さが10kg以上あり、観光客には買いづらい。

サソリ入りキーホルダー。
アクリル樹脂の中に本物のサソリが入っていた。若者には受けそうだ。

顕微鏡や双眼鏡など、中古の光学機器を中心にしたコーナー。

人形屋さん。コーカサス地方の様々な民族衣装で飾られた人形が並んでいた。


3)まがい物
小さな商店の中でショーケースの中を見ていたら、中国製らしきまがい物が売られていた。
アルメニア人はこれがまがい物であることを知っており、知った上で買っていく。
まずは所持金で買える安さが前提であり、あとは正常に動けばその品名はどうでもよさそうだ。
おそらく僕もそうするだろう。


SonyをもじったようなSunnyというカセットプレーヤー

これはAiwaではなく、Nが足されてNaiwaになっていた。

衣料品市場。衣類は中国製、トルコ製が多かった。