名所旧跡から��

エレブニ

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高台にあるエレブニ跡		 アルメニアはアッシリアに対抗したウラルトゥ王国（アララト王国）時代以来、3千年以上も続く長い歴史の国である。エレバン市の原型はウラルトゥ王国時代の紀元前７８２年に建設されたとされる『エレブニの大要塞』である。（下の写真がその模型）
この要塞跡は町はずれの小高い丘の上に残っている。（左の写真）ここからのエレヴァンのながめは良い。
楔形文字
去年（2003年）はこのエレブニ時代から数えて、エレヴァン市の2785周年だった。10月中旬、恒例の「エレブニ祭」があり、街の中央広場はコンサートで盛り上がり、2785周年を示す仕掛け花火が夜空に輝いた。（下の写真）

実はその時、この仕掛け花火のヒモが高い街路灯の上に引っかかり、しばらく花火の点火が出来なかった。多くの大人が街路灯によじ登ろうとしたが、あともう少しで力尽きて滑りおりてしまった。ヤキモキしていたら、少年が現れて、上までよじ登り、絡んだヒモをほぐして一件落着だった。観衆からはもちろん大拍手。彼に年を聞いたら15歳だった。このヒーローと一緒に写真を撮った。
エレブニ大要塞の模型		 このエレブニ要塞の城壁に刻まれていた文字は、丸みをおびたアルメニア文字とは全く違う楔形文字だった。（上の写真）






要塞跡からは多数の土器や矢じり、装飾品などが発掘され、丘の下のエレブニ博物館で展示されている。この博物館の展示品の中に当時使用されていた石のパイプ（水道管）があった。（下の写真）
3千年も昔に石をくり抜いたパイプを使っていたとは驚きである。

エレブニ祭の仕掛け花火。2785の数字が出ている		 多くのアルメニア人が祖国を離れ、海外で生活している。家族の絆の強いアルメニア人にとって、年に一度は帰国したがるのはこのエレブニ祭の頃である。何だか日本のお盆の頃ととてもよく似ている。
石のパイプ


ガルニ神殿、アンベルト、ズワルドノッツ


ガルニ神殿		 アルメニアのヘレニズム時代の代表的な建物は左の写真のガルニ神殿である。
ガルニ神殿は1世紀に建設されたギリシャ風（異教徒）神殿であるが、キリスト教が国教となった後も破壊されることなく現在に残っている。
この神殿を見ていると、ギリシャに来たような感じがした。
荒野の石造教会

右の建造物は比較的新しいものだった。長い階段が続いており、何となく新興宗教の総本山風な雰囲気もある。これはいったい何だろうと思いながら息をはずませて長い階段をやっと上った。上まで登ったら大きなモニュメントが立っていた。第二次世界大戦での戦死者を追悼した記念碑のようであった。
山奥の味わいのある石造教会などとは違って、どこか旧ソ連を感じさせる建造物である。階段を下りようとしたら、内部にエスカレーターがあるのがわかった。いい運動をしてしまった。

カスカード
上の写真はアラガツ山の麓にある石造教会である。入り口の銘板に1026年建造と記載されていた。この辺は冬は道路が雪で埋まり、気温もマイナス20〜30度までは下がりそうだ。周りを見渡すと草が少し生えているだけの岩だらけの荒野がどこまでも続く。こんな場所に何故教会を建設し、そして何を祈っていたのであろうか。
そのそばに下の写真の城跡があった。10〜13世紀に使われたアンベルト城である。三方を深い谷に囲まれた難攻不落の中世の城だったようだ。

ズワルドノッツ		 左の写真は643-652年の間に建設されたズワルドノッツ聖堂跡である。この聖堂は10世紀の大地震で崩壊した。三階立ての石造建築で、ここで使われた建物のデザインは、後のアルメニア建築物の多くに取り入れられた。
ここに立つと、石造建築物に対する地震の怖さが良く伝わる。
近年、この聖堂の設計図が発見されたそうで、修復計画が進んでいる。
アルメニアの国際空港はここの名前を記念してズワルドノッツ国際空港と称されている。
アンベルト