アムール川流域
世界の大河のひとつであるアムール川は、その上流でシルカ川とアルグン川が合流している。
アムール川は湿地帯を経由して間宮海峡へ至り、そこへ流れ出る水はオホーツク海のサハリン沿岸にまで到達する。
支流であるアルグン川からの長さは4440kmであり、シルカ川とアルグン川の合流点からの長さは2824kmである。
ハバロフスク付近での川の流量は毎秒8600m3で、河口付近では毎秒11330m3に達する。
ハバロフスク州内でのアムール川の大きな支流としては、
アングン川(Амгунь)、アニュイ川(Анюй)、トゥングースカ川(Тунгуска)、ブレヤ川(Бурея)、ウスリー川(Уссури)である。
アムールは流れを分岐させ、多数の湖、支流、河床を形成している。
アムール川にはアオウオ(черный амур)、ソウギョ(белый амур)、ハクレン(толстолоб)、ライギョ(змееголов)、イトウ(таймень)、
コイ(сазан)、アムールチョウザメ(амурский осетр)、ダウリチョウザメ(калуга)などの大きい魚を含め、108種類の魚が生息しており、
季節の到来とともにアムールとその支流には鮭鱒が産卵のために遡上する。
このアムール川にロシアの蒸気船が初めて就航したのは1854年だったそうだ。
世界四大文明(エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明)は、いずれも大河のほとりに発生した。
古来、大河は大地を潤し、移動の手段となり、そこからは食料(魚)も獲得出来た。
アムール川の水系は、現在に至るもその流域に暮らす人々の経済や生活を左右する大きな要素となっている。
北東アジアを静かに流れる雄大なアムール川の流域にはどんな歴史があったのであろうか。
今はどういう人々がどのような生活を営み、その自然はどうなのか。
そんな興味を持ちながら何回かアムール川流域を訪れた。
ハバロフスク |
ハバロフスク市はウスリー川がアムール川へそそぐ合流点の近くに建設された
ロシア極東経済、交通の中心であり、シベリアへの玄関口でもある。
ハバロフスク市の人口はおよそ60万人。
ハバロフスク地方は青森県及び兵庫県と、また、ハバロフスク市は、新潟市と姉妹都市関係にある。
ハバロフスクの歴史はロシアによるアムール流域の開発の歴史でもあった。
1858年5月日、この地に入ったジヤチェンコ大尉が指揮するシベリア国境警備大隊が監視所を建設した。
そして17世紀の探検家ハバロフに敬意を表して、その場所をハバロフカと命名し、
それが現在のハバロフスク市の由来となっている。
ハバロフカが創設されて5年後には兵舎、倉庫、住居、商店など167の建物が建設された。
『アムール川流域の考古学』もご一読下さい。
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