サハリンの露店 |
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露店の風景はサハリン特有というわけではなく、ロシアならどこでも見かける光景である。国営商店が品不足だった昔から、露店は庶民にとって必要不可欠な流通ルートの一つになっている。社会主義と言われていた時代にも市場や露店はあったし、「需要があるところ、供給もある」のが古来からの習わしだと思う。
(マカロフにて)
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魚売り
冬のサハリンでは湖や海、河川が凍結する厳冬期は氷に穴をあけて釣り糸を垂らす穴釣りが盛んである。釣り人は魚が沢山釣れると、こういう露店に引き渡し、売ってもらって利益を得ているようである。冬の穴釣りでは氷下魚やキューリウオがよく釣れるので、この露店でもそれらの魚が山積みにされていた。キロ単位で売っていたが、一人で食べるには2〜3匹あれば十分と思い、3匹買おうとしたら1キロに満たなかったらしく、カネは受け取らず、プレゼントしてくれた。何だかキップの良いお兄さんだった。
(ユージュノサハリンスクにて)
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揚げパン
サハリンを移動していると、食事の出来る場所が限られており、時間帯によってはレストランが閉まっていたりで不便な時もある。しかし、適度な距離的間隔をおいて道端に露店があり、そこではすぐ食べられる揚げパンなどを売っていて、僕もだいぶお世話になった。ここの揚げパンはかなり大きく、中には挽肉の大きな塊が入っており、一つ食べるとお腹がいっぱいになった。揚げパンは断熱されたケースに入っており、ほとんどの場合、温かいうちに食べる事が出来た。
(ノボアレクサンドロフスクにて)
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乳母車大活躍
サハリン島を南北に縦断する街道沿いでブズモーリエ地区のカニの露店は有名である。ここの露店では全員が乳母車を使っていた。カニの他に、揚げパンや熱いコーヒーや紅茶もポットに入れて売っていた。次の集落まで車で一時間ほどかかるので、ほとんどの運転手はここで車を停め、一息入れる場合が多い。カニが有名になりすぎて、結構売れているようだが、値段を聞いてみるとユージュノサハリンスクでの値段とあまり違わないようだった。
(ブズモーリエにて)
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実りの秋
秋になるとベリー類やキノコが露店に並ぶ。大きなバケツ一杯で日本円で2500-3000円程度だが、すぐ売れきれるようで、小分けにして売ってくれないか聞いたところ、面倒なのか小分けで売ってはくれなかった。ベールイという名のキノコを買って炒めて食べてみたが、日本のキノコに比べて香りに乏しく大味な感じがした。
(ブズモーリエにて)
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小さな市場
工場など産業施設の無い地方の小さな町では働き口が限られており、現金収入を得るのは難しい。現金収入が少なければ自給自足的にならざるを得ず、豊かな海や山は近くにあり、野菜や果物は自分で栽培する傾向になる。従って地方の小さな町の市場では買い物客の数も限られ、市場の規模も小さくなる。市場と書かれていたノグリキの一角では、小さな露店で野菜、魚、ジャム類と乳製品が売られていた。
(ノグリキにて)
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