アムールの船旅
��ニコラエフスク・ナ・アムーレ、間宮海峡

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　ニコラエフスク・ナ・アムーレ の手前に木材積み出し港が見えた。その町はマゴだった。
　1970年代には多くの日本人木材検収員が来訪し、日本への木材積出港として活気があったそうだ。
　ラードガ号は間もなくしてニコラエフスクに近づいた。船着き場の手前で石炭の積み降ろし作業が行われていた。
　ニコラエフスク・ナ・アムーレ（Николаевск-на-Амуре）に接岸した。人口3万人あまりの小さな町だった。港も小さかった。この町 にはロシア革命当時に多くの日本人も住んでおり、ニコラエフスクは日本名で尼港とも呼ばれていた。1920年５月、そのニコラエフスクで、守備隊として駐留していた部隊がロシアの抗日パルチザンに襲われ、武装解除をされた後に、居留民も含め、700名余りの日本人が殺害されるという尼港事件があった。
　ニコラエフスクでは係留した場所の隣の船が漁業監視船だった。監視船の乗員達とおしゃべりしていたら、何となく意気投合し、監視船が没収したチョウザメをいただいた。キャビアもご馳走になったが、なんと、鍋に山盛りのキャビアを出された。
　これら没収キャビアは国家財産となり、後で市場へも出回るようだ。
　コピチコさんの奥さんが監視船からいただいたチョウザメでスープを作ってくれた。過去にレストランなどで食べたどのチョウザメより美味かった。（左の写真）

　右の写真はコピチコさんの奥さんが普段船内で作ってくれていた料理の一例である。

　左の写真は旧島田商会の建物との事。

　右の写真はニコラエフスクの市庁舎。市内では一番しっかりした建築物に見えた。
　街角でイチゴや野菜、花などが売られていた。
夏のこの時期、ロシアのどこの町でも見る事が出来る典型的な風景だ。
　イチゴや野菜、花などが売られていた。
　ニコラエフスク・ナ・アムーレ市建設150周年の祝日を控え、市内のあちこちでは修復工事が行われていた。おかげでホテルも改装工事中で、宿泊できず、代わりにこの町で教員をしているコピチコ先生の教え子（普通学校と海軍幼年学校に勤める教員）が手配してくれた看護婦学校の寄宿舎を利用した。ここに２泊したが、一泊１５０円程度であった。久しぶりにシャワーを浴びた。
　ニコラエフスクは1850年にネヴェリスコイ提督によって建設された町で、そのネヴェリスコイ提督の記念碑のある広場では祝日のセレモニーで披露される踊りの特訓中だった。どんな踊りになるのかわからないが、集団演技の上手なロシア人の踊りの稽古にしては全体的にまとまりの無い練習風景だった。
　この行事に合わせた修復工事なのか、博物館も工事中との事で訪問する事が出来なかった。
　左の写真は町の高台から見たニコラエフスクの全景。遠景でも、町の中を歩いた感じでも、小規模な町という印象を受けた。
　マイクロバスで間宮海峡に面したオゼルパフの町へ向かった。向かう途中でマイクロバスのタイヤがパンクし、タイヤを交換中に近くの小川を覗いてみたら、多数の鮭鱒が遡上しているのが見えた。（右の写真）
　念願の間宮海峡へ出た。遠くの方ににサハリンが霞んで見えた。

　河口に鮭鱒の加工工場が見えた。（右の写真）

　ハバロフスクを出航し、八日目に間宮海峡に至った。長いようで短かった旅が終わった。
　間宮海峡に至った日、かなえられた船旅の遂行を祝した。
　丁度この日、参加メンバーの榎森先生の誕生日でもあった。
　こういう旅に慣れている船長だけは、ネクタイを締めてさっそうと参加していた。
　ハバロフスクまでの帰路は飛行機を利用した。
ニコラエフスク・ナ・アムーレ空港は木造二階建だった。
待合室でしばらく待って、自分らでスーツケースを小型飛行機へ乗せた。