エゾタカネナデシコ(蝦夷高嶺撫子)

分類:ナデシコ科ナデシコ属
学名:Dianthus superbus var. speciosus f. bibracteatus
撮影日:7月下旬



サハリンでは7月になると、熊たちは鮭鱒の遡上にあわせて下山し、
山に熊はいなくなるという話を聞いた。
決して油断は禁物であるが、そんな季節に山を放浪してみた。
草の根になどに掴まりながら急斜面を登り切った場所は
見晴らしが良かった。
空気がとても澄んだ清々しいところだった。
足下にピンクの花が咲いていた。

しばらくの間、この花はタカネナデシコだと思っていたが、
最近になってタカネナデシコの基部には2対の苞があり、
苞が1対しかないものをエゾタカネナデシコという事がわかった。
そこで、改めて拡大写真で苞の部分を確認してみると1対しかなかった。
撮った場所も場所だけに、どうやらエゾタカネナデシコのようである。

エゾタカネナデシコに出会ったのは、この時が最初で最後だった。
カワラナデシコには何度も出会ったが、
エゾタカネナデシコほどの優雅さは無く、
花は沢山咲いていたのに、良い写真は撮れなかった。