シオガマギクの仲間

 水陸両用車に乗り、北サハリンの湿地帯へ入った時だった。樹木さえ太くはなれない荒涼とした湿地帯でピンクの花群に出会った。広大な原野の中で、この花は風の音に震えながら、それでも逞しく育っているように感じた。
 正確に同定するのは難しいが、ゴマノハグサ科シオガマギク属の仲間ではないだろうか。棒のように真っ直ぐに伸びた一本の茎にはヒゲのような細い葉が付いていた。湿原の可憐な花だった。