ラマーシカ
 ロシアでラマーシカと言われている花々に常々疑問がありました。
葉の形、花の大きさ、草丈などに明らかな違いがありながら、ロシアの人々はラマーシカの一語で片付けてしまうからです。
手持ちの岩波の辞書ではラマーシカとは「(フランスギク、アカバナジョチュウギク、ローマカミツレなど)外観がカミツレに似た花の総称」と記述されています。
 サハリンでも数種類のラマーシカを見かけましたが、一般の人々は、おおらかというか、細かいことに無用な神経は使いたくないのか、特に区別はしていないようでした。 以下はサハリンで見かけたラマーシカの紹介です。
(写真をクリックすると拡大します。)
 
 これは薬用成分のあるラマーシカで、和名でカミツレ、カモマイル(カモミール)という種類の花に似ていると思いました。葉に特徴があり、金魚鉢の水草に似たような細長い糸状の葉が付いています。


和名 カミツレ
学名 Matricaria chamomilla L.
分類  キク科シカギク属
別名 カモミール
英名 German Chamomile

 
 こちらは葉は細長いですが、糸状ではありません。花は大きめで茎は長く(60〜100cm)、座ると頭が隠れそうになります。
一般にフランスギクという花に似ていると思いました。

フランスギク
分類:キク科フランスギク属
学名:Leucanthemum vulgare Lamarck
英名:Oxeye daisy


 これは草丈が低く(20〜30cm)、座ると足の部分だけしか隠れません。全体に小ぶりな印象を受けました。

 ロシアの花と言っても良いぐらいに、夏のロシアのどこにでも見かけられるラマーシカですが、このようにラマーシカには様々な種類が含まれるようです。

ロシア語でのフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にはラマーシカに含まれるのが約50種類あるとかで、学名が列記されていましたが、かなり大雑把な印象でした。

                         Samovar・記