ベニバナヤマシャクヤク
(紅花山芍薬)


ボタン科ボタン属の多年草
学名:Paeonia obovata


 新緑が一段落し、初夏を迎えたサハリンの森でベニバナヤマシャクヤクに出会った。自然の中で自生しているベニバナヤマシャクヤクを見たのは初めての事だった。緑の中でピンクの清楚な大輪が目立っていた。大きな葉には風格があり、全体の花姿には山野草の女王といった雰囲気があり、深山でこの豪華な花に出会えた事は幸運だった。花は長くは咲き続かず、花後は中心部の鞘が少しずつ大きくなり、やがて鞘が割れ、真っ赤な果実の中に黒い種が現れる。花も素晴らしいが、鞘が割れ、種が出てきた時の姿もまた素晴らしい。日本では園芸用として盗掘する心ない山野草マニアがいるようで、年々数が減り、北海道や他の県でも絶滅危惧種に指定されている。