マカロフの教会
教会の中へ入ってみたところ、内部はまだ工事中だった。屋根の上の十字架からロシア正教会だとわかっていたが、内部に飾られたキリストの絵の雰囲気からもそれが察せられた。中では大工さんがせっせと仕事をしており、私のような部外者が勝手に入って写真を撮るのは図々しいような気がして、写真は撮らなかった。この教会を出て少し歩くと、向こうから黒衣に身を包んだ聖職者がやってきた。よく見ると私と同じアジア系であり、直感的に日本人か朝鮮系の人かと思った。日本人ならば興味があるし、朝鮮系の人であっても、ロシア正教の話を聞いてみたい衝動にかられ、声をかけてみた。ところが、日本語もロシア語も通じなかった。英語で話してみると、韓国からやって来たカトリック系の神父さんだった。そして彼が向かった先は、このロシア正教の教会の目と鼻の先にある映画館のような古い建物だった。現在は内部が改装され、韓国系の教会になっているとの事だった。ソ連がロシアになり、宗教を信じる人々も急速に増えていると聞いたが、サハリンの場合、その宗教は必ずしもロシア正教だけではないようである。
(2008年3月8日)