マカーロフのホテル「ラススヴェート」
 ラススヴェートには夜明けとか、暁という意味があるが、皮肉にも、名の通りホテル内は少し暗い。素泊まり個室一泊50ドル(朝食付き)だったが、その代金は感覚的には少し高い気がした。マカロフはサハリンの首都ユージュノサハリンスクから235km離れたオホーツク海側にある町である。戦前の日本の統治下では製紙工場があったが、その製紙工場は廃墟になっており、現在のマカロフには小規模な漁業と林業以外は、さしたる産業は無さそうである。ただし、美しい自然は残っており、観光資源はあるが、観光客を呼ぶにはまず第一にホテルの整備が必要だと思う。

ホテル内にあるカフェー「オホーツク」

 カウンターに入っている人たちに愛想は無い。愛想は無いというか、不機嫌な場合が多い。逆に客が愛想良くしないと相手にしてもらえない雰囲気があった。ここの経営者は旧ソ連型経済から市場経済への移行をあまり急いではいないのだろうか。

 夜は落ち着いて食事をする場所と言うよりも、大音量のディスコ音楽が流れ、大声での会話が必要になる場所のようだった。客層にもよるのだろうが、自然を楽しみ、エコロジーを大切にしたいと思う私みたいな人や、おばさん連中を海外から呼び寄せるには、店内にもう一工夫も二工夫もあっても良さそうである。
ホテルの室内

 ベッドと椅子と机はあったが、机には照明用のスタンドなどは無かった。テレビも電話も無い。

 トイレにトレ紙は無く、歯ブラシやカミソリはおろか、石鹸もない。タオルはあったが、シャワーは無かったので、どうすれば良いのかアドミへ聞きに行ったら、ホテルの向かい側にあるサウナへ行くことを勧められた。これでは言葉も通じない日本人観光客が来訪したとすると、パニックになりそうだ。一般観光客、ましてや海外からの観光客の来訪などは想定していないような感じだった。