ミール通りの梢氷
3月も下旬になると、ユージュノサハリンスクでは厳冬の寒さも峠を越える。晴れた日には雪も少しずつ蒸発し、木々は湿り気を帯びる。そんなある日の朝、通りの街路樹や公園の木々の梢が白く輝き、桜が咲いたように見えた。前日に気温が上がり、氷結した梢が緩み、湿気を帯び、そして夜間に気温が急激に下がり、再氷結したようだった。朝の陽光がまだ暖かさを抱かない二時間ほど、冬の氷桜が輝いていた。