(トロイツコエの紋章)
上はナナイ人地区の町「トロイツコエ」の役場の前に立っていたレーニン像

下はトロイツコエのナナイ博物館
トロイツコエには1859年に最初のロシア人開拓民が入植を始めた村で、ナナイ地区の中心にあり、小さいながらも各行政組織もあるようだ。トロイツコエの人口は6000人でハバロフスク州中部低湿地帯のアムール川左岸に位置している。交通はハバロフスク、コムソモリスク・ナ・アムーレとはバスでつながっており、船が航行可能な時期はアムール川が利用されている。ナナイ地区という行政単位になったのは1934年の事である。
この地方には大昔から北方先住民の祖先であるナナイ人やウデゲイ人が生活していたが、19世紀の中頃にロシアからの開拓民が入植するようになった。ロシア人達はナナイ人の村の隣に住むようになった。
革命時の国内戦では極東ロシアの先住民たちはボリシェビキの側に参加した。1930年代は林業、漁業、狩猟などの集団化が行われた。第二次世界大戦ではナナイ地区から6000人の住民が兵士として戦場へ向かい、そのうち2000人以上はナナイ人だった。
現在のナナイ地区にはトロイツコエ以外にも多数の村があり、その住民総数は21700人である。ナナイ地区はハバロフスク、コムソモリスク・ナ・アムーレ、ワニノ、ソフガワニ、ラゾー、さらには沿海州とも接しており、その広さは27800km2である。