陶器(上)と満州族の女性を描いたミョウ(下)。

ここの郷土史博物館はアムールスク地域の歴史資料や文献を保存し、展示する目的で
地元の郷土誌研究家らの積極的な協力のもとに1972年に開館した。
開館当初は、アムールスクの産業発展史(紙パルプ産業、木材加工業と軍需産業)の
研究と展示、戦争経験者や熟練労働者、アムールスクの最初の建設労働者、
芸術家、詩人、音楽家等の功績の収集、展示に力点がおかれた。
しかし、それらは初めて来訪する外部からの旅行者には興味があっても、
地元住民には人気が無かった。
町が新しく、比較的短い町の歴史を知る多くの住民には
展示品は目新しいものではなかったからだ。住民の多くはもっと古い歴史に興味を示し、
やがて1990年代の中頃から新石器時代やアムール流域の先住民に関わる展示品が増えていった。
博物館にある主な展示品は次のようなものである。
ナナイの儀式用彫刻品。D.E.オネンコ氏の木彫品。
詩人、音楽家、画家であったP.K.キレの1940年から1990年頃までの業績。
新石器時代の紀元前3000年頃にアムール下流域にあったヴォズネセンスカヤ文化(遺跡)からの
石器のコレクション。
自然にある材料で製作されたナナイの伝統的な玩具、装飾品、楽器。
アムールスク地区で収集された19世紀の終わりから20世紀初頭のロシア人入植者たちの
資料や宗教にちなんだコレクション(農耕具、家具、衣服、食器、本なども含む)。